アートイルミネーション 「和のあかり×百段階段」展 2016 〜日本の色彩、日本の祭り〜
十畝の間は、螺鈿細工(らでんざいく)と荒木十畝(あらきじっぽ)の四季淡彩花鳥画が調和する格調の高い部屋になっています。
この部屋の螺鈿細工は「黒漆研ぎ出し」というもので、漆地に研いだ貝殻を文様に切って張り、漆で塗り込めます。それを木炭で一面に研ぎ貝の文様を表すか、小刀などで文様部分の漆膜を削り起こして仕上げをするという、大変手の込んだ細工になっています。
螺鈿細工は欄間の下の長押(なげし)、床の間の落掛(おとしがけ)、床框(とこかまち)など、いろいろな所に施されています。
この部屋には墨絵アーティスト西元祐貴と、「龍の棲む郷・福井」の「越前和紙」がコラボした、龍をテーマにした作品が展示されています。
正面に見えるのは「黒龍」です。その手前にはAR動画を制作するために書き下ろした原画の一部が越前和紙のあかりと共に展示されています。
「女性画」(黒白龍幻想譚 AR作品)です。
ここ、「十畝の間」の床の間に飾られていた荒木十畝の女性画へのオマージュとして、同じサイズの掛け軸を再現して西元祐貴が墨絵で女性画を描いています。
福井には黒龍と白龍の伝説があります。身分の違いから結婚できない男女、しかもその男性の正体は黒龍。女性はその想いから自らが白龍となり黒龍と結ばれるというお話です。
そのドラマチックなストーリーをAR技術を使って表現しています。
会場内に掲示されているQRコードからスマートフォンで「ARART」アプリをダウンロードし、「黒白龍幻想譚」をダウンロード。「女性画」にスマートフォンをかざすと、画面に黒龍が現れ、女性が白龍に変身します。
越前和紙、墨絵、龍という日本の伝統的なものによって創られた作品が、AR(Augmented Reality)という最新技術によって創造表現の幅を広げました。
開催期間:2016年7月1日(金)〜2016年8月28日(日)
セ
記事を書く
セコメントをする