「画家が見たこども展」 三菱一号館美術館
2020-07-13


「三菱一号館」は、鹿鳴館の設計で知られる英国人建築家、ジョサイア・コンドルの設計により、1894年(明治27年)に竣工しました。
当時は館内に三菱合資会社の銀行部が入っていましたが、この建物は老朽化のために1968(昭和43)年に解体されました。
2006年に三菱地所(株)が「三菱一号館」を復元し美術館として活用することを発表しました。
明治期のジョサイア・コンドルによる設計図や解体時の実測図の精査に加え、各種文献、写真、保存部材などに関する詳細な調査が実施され、保存されていた部材を一部建物内部に再利用するなどして、当時の建物が忠実に再現されました。
そして解体から40年余りの時を経て、19世紀末に日本の近代化を象徴した建築物「三菱一号館」は、2010年(平成22年)4月6日、「三菱一号館美術館」として生まれ変わりました。

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開館10周年を迎えた「三菱一号館美術館」では今、「画家が見たこども展」が開催されています。
開館10周年記念展として2月15日から6月7日まで開催の予定でしたが、コロナ禍の影響により9月22日(火・祝)まで会期を延長しています。
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本展では、19世紀末パリの前衛芸術家グループ「ナビ派」の画家たちが追求した親密なテーマの中から「子ども」に焦点をあて、都市生活や近代芸術と「子ども」との関係を検証しています。
フランス、ル・カネのボナール美術館の全面協力のもと、国内外の美術館および当館の所蔵品から、ゴッホ、ゴーギャン、ルノワールの他、ボナール、ヴァロットン、ドニ、ヴュイヤールらナビ派を中心とした油彩・版画・素描・挿絵本・写真など約100点を紹介しています。

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上:フィンセント・ファン・ゴッホ 《マルセル・ルーランの肖像》 1888年、油彩・カンヴァス
下:モーリス・ドニ 《赤いエプロンドレスを着た子ども》 1897年、油彩・厚紙


本展は以下の6つのテーマに沿って構成されています。
プロローグ Prologue 「子ども」の誕生 La naissance de ≪ l’enfant ≫
1、 路上の光景、散策する人々 Scenes de rue & promenades Bonnard, Vuillard, Vallotton
2、 都市の公園と家族の庭 Jardins publics & jardins prives Bonnard, Vuillard, Ranson, Vallotton, Denis, Maillol, Muller
3、 家族の情景 Scenes de famille Bonnard, Maillol, Denis, Vuillard, Vallotton
4、 挿画と物語、写真  Illustrations & contes / Photographies
エピローグ Epilogue 永遠の子ども時代 L’enfance eternelle

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ナビ派の画家たちは印象派に続く世代の出身で、19世紀末パリの前衛芸術「アバンギャルド」の一角を占めました。

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