東京都中央区京橋にある「アーティゾン美術館(旧 ブリヂストン美術館)」で、鴻池朋子の展覧会「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×鴻池朋子 鴻池朋子 ちゅうがえり (Tomoko Konoike FLIP)」が開催されています。
「ジャム・セッション」は、今年1月に開館したアーティゾン美術館のコンセプト「創造の体感」を体現する展覧会です。 アーティストと学芸員が共同して、石橋財団コレクションの特定の作品からインスパイアされた新作や、コレクションとアーティストの作品のセッションによって生み出される新たな視点による展覧会を構成します。 過去から現代、次代へ向けての架け橋となるプロジェクトを目指し、今後、毎年一回開催する予定です。
そのシリーズ第1回に、鴻池朋子さんが迎えられました。
鴻池朋子(こうのいけ ともこ)は、1960年秋田県生まれで、1985年に東京芸術大学美術学部 絵画科 日本画専攻を卒業しました。
玩具会社での企画デザインや、インテリア雑貨店の企画室に勤めて雑貨や家具のデザインを手がけたのち、1998年より絵画、彫刻、パフォーマンス、アニメーション、絵本などの様々なメディアを用いて、現代の神話(動物が言語を獲得するまでの物語)を、地形や場とのサイトスペシフィック( Site-specific )なトータルインスタレーションで表現し、人間学/動物学、おとぎ話、考古学、民俗学などと学際的に対話を重ねて、エネルギーと芸術の問い直しを試みている美術家です。
「瀬〓内国際芸術祭2019」で、2019年6月から2020年2月まで香川県高松市の離島、大島に展示された《 皮トンビ 》。
大島にある国立ハンセン病療養所の裏山で長く閉ざされていた山道を切り開いて設置されました。
大島の西には、桃太郎伝説の鬼ヶ島とされる女木島、南には屋島の戦いで知られる屋島、東には小豆島があります。
《 皮トンビ 》 2019 牛革、アクリル、クレヨン 4m×12m (部分)
森の中に置かれた《 皮トンビ 》は、カミーユ・コローの作品をインスパイアする作品です。
カミーユ・コロー 《 オンフルールのトゥータン農場 》 アーティゾン美術館蔵
『鴻池朋子は、絵画、彫刻といった従来の美術技法の他に、旅という時間と移動、歌や語りという音声言語、玩具や手芸などという身近な生活の行為や手立てをメディアとして、狩猟採集という人間の文化の「原型」というものを再考し、芸術の根源的な問い直しを続けてきました。』
(『 』内はアーティゾン美術館館長「ごあいさつ」より引用)
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