サントリー美術館 開館60周年記念展 「ざわつく日本美術」
2021-08-17


東京ミッドタウンにあるサントリー美術館が、開館60周年記念展 「ざわつく日本美術」を開催しています。
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「ざわつく日本美術」。ちょっと変わったタイトルです。
絵画、彫刻、陶磁器などの美術品を見た時に、「えっ?」「おっ!」「うわぁ…」などと感じたことはないでしょうか?
本展では、そうした「心のざわめき」を起点に、思わず「心がざわつく」ような展示方法や作品を通して、「この作品のどこにざわつくのだろう?」と掘り下げつつ日本美術作品を紹介しています。

本展は6つの章で構成され、「うらうらする」、「ちょきちょきする」、「じろじろする」、「ばらばらする」、「はこはこする」、「ざわざわする」という、展示テーマを見ただけでもざわついてしまう、今までに見たことも無いユニークな切り口で作品を紹介しています。

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「心ざわつく」作品としてプロローグに展示された《尾上菊五郎》です。
明治8年(1875)頃に発売された5代目尾上菊五郎の役者絵ですが、浮世絵を見慣れていた当時の人々にとってはあまりにもリアルだったために受け入れられず、不評に終わったといいます。
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本作には当時最先端の印刷技術「砂目石版(すなめせきはん)が用いられています。
表面をあえてざらざらにした版面に写実的な肖像を転写することで、独特の陰影表現が生まれています。


第1章 うらうらする

いつもは正面や表面を向いて展示される作品をひっくり返すと、思いがけない顔に出会えます。
そうした「裏の顔」は時として、作品の秘めた本性をも教えてくれます。

重要文化財 《色絵五艘船文独楽形鉢》 有田 一口 江戸時代 18世紀
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五隻のオランダ船の文様をうつわの内外に配した作品で、底裏に「寿」の一文字が記されています。
裏側が反射して見えるように展示されています。
当時の人々が、海を越えて宝物を運んでくるオランダ船を「宝船」に見立てて尊んだことを踏まえると、この「寿」字は、本作の吉祥性を象徴的に表しているとも考えられます。

《吉野絵椀》 江戸時代 18〜19世紀
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一見すると真っ黒でそっけない椀ですが、ふたを開けると全くの別物に変化します。

《能面 小面》 是閑吉満 桃山時代 16〜17世紀
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