2020年8月17日に国登録重要文化財(建造物)に登録された「河鹿園(かじかえん)」という建物が、御嶽渓谷のJR青梅線・御嶽駅前にあります。
多摩川左岸の崖上に建ち、最古の建物は大正14年頃に建てられたものです。
御岳渓谷に大正時代から営業していた割烹旅館・河鹿園は2017年に旅館の営業をやめ、旅館時代の建物はそのままに、趣のある床の間や欄間を備えた客室に書画などを飾る、「旅館建物室礼美術館 河鹿園 (アートギャラリー河鹿園)」として生まれ変わりました。
太平洋戦争中の1944年(昭和19年)に御嶽に疎開した川合玉堂が河鹿園に大変世話になったという関係から、多くの玉堂作品がこの河鹿園に残されています。
「河鹿園」の文字も、川合玉堂の書によるものです。
入園時にいただいた箸袋です。割烹旅館時代にはこの紙を折って箸袋にしていたということです。
園内には旅館時代の部屋がそのまま残されていて、今は各部屋で「玉堂翁尽くし展」という展示を行っています(12月19日まで)。
古い旅館の建物がそのまま残されていて、廊下にも数々の美術品が飾られています。
大きなガラス戸の向こうから、多摩川のせせらぎや鳥のさえずりが聞こえてきます。
《秋山渓声》 1921年(大正10年)頃
《 鶺鴒 (セキレイ) 》 1956年(昭和31年)
眼下に多摩川の流れがあります。
大広間の展示室には数多くの美術品が並べられています。
大浴場(男)にも御嶽渓谷の雄大な景色が広がります。(今は使われていません)
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