「ヴァロットン ― 黒と白」三菱一号館美術館
2022-12-03


丸の内(東京都)にある三菱一号館美術館へ「ヴァロットン ― 黒と白」展を観に行ってきました。
禺画像]

スイスに生まれ、19世紀末パリの前衛芸術家グループ「ナビ派」に属したフェリックス・ヴァロットン(1865年〜1925年)は、黒一色の木版画にこだわり続け、斬新な視点とフレーミング、モティーフの単純化やダイナミックな人物表現など、木版画に独自の境地を切り開きます。
本展では、希少性の高い連作〈アンティミテ〉〈楽器〉〈万国博覧会〉〈これが戦争だ!〉の揃いをはじめ、ヴァロットン芸術の真骨頂ともいえる「黒と白」で構成された木版画や資料など約180点を一挙に公開しています。
又、同じ時代を生きた画家、ロートレックの作品と比較できるコーナーもあります。

禺画像]
展示風景 フェリックス・ヴァロットン 《息づく街パリ 口絵》 1894年 ジンコグラフ 21.8×31.4 cm

展覧会は次の5つの章と特別展示で構成されています。
CHAPTER 1 「外国人のナビ」ヴァロットン―木版画制作のはじまり
CHAPTER 2 パリの観察者
CHAPTER 3 ナビ派と同時代パリの芸術活動
CHAPTER 4 アンティミテ:親密さと裏側の世界
CHAPTER 5 空想と現実のはざま
特別関連展示 ヴァロットンとロートレック 女性たちへの眼差し

禺画像]
展示風景

「死」をテーマに制作した木版画の一つです。左下に書かれた「L’ASSASSINAT(暗殺)」というタイトルが刺激的ですが、その場面を直接的に描写せず、腕が暗示的に描かれています。
禺画像]
フェリックス・ヴァロットン 《暗殺》  1893年 木版 14.7×24.7 cm

パリ6区にあるリュクサンブール公園の夕暮れの情景を描いた、油彩画です。ナビ派の影響が感じられる作品です。
禺画像]
フェリックス・ヴァロットン 《公園、夕暮れ》 1895年 油彩、厚紙 18.5×48.5 cm

表紙を含む23点のリトグラフで構成された《罪と罰》全作品が壁面のスライドショーでも紹介されています。
禺画像]
展示風景

私の好きな作品です。
一見すると無邪気な子どもたちが描かれているように見えますが、よく観察すると、群れをなす子どもの中にいるのは警官と連行される貧しい身なりの男性です。無邪気ゆえに時に残酷さを伴う子どもの本質を風刺的に表しています。
禺画像]
フェリックス・ヴァロットン 《可愛い天使たち》 1894年 木販 14.8×24.5 cm

続きを読む

[美術館/展覧会/公演]
[今日のつぶやき]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット