2003年4月に開館して今年20周年を迎えたパナソニック汐留美術館で、開館20周年記念展「ジョルジュ・ルオー かたち、色、ハーモニー」が開催されています。
当館は、松下電工(現パナソニック)が1990年代から収集したジョルジュ・ルオーの作品を約200点所蔵しています。
本展では、パリのポンピドゥー・センターから、ルオーの傑作13点が来日するほか、絵画の他にも手紙やルオーの詩など、フランスや国内の美術館から集結した本邦初公開作品を含む約70点が展示されています。
ルオーが、自身の芸術を語るのに繰り返し用いたことば 「かたち、色、ハーモニー」 をキーワードに、ルオーの装飾的な造形の魅力に迫ります。
ジョルジュ・ルオー(Georges Rouault, 1871年5月27日 - 1958年2月13日)は、フォーヴィスム(野獣派)の中心人物として知られる、フランスの画家です。フォービズムに分類されることが多いのですが、本人は「画壇」や「流派」とは一線を画し、ひたすら自己の芸術を追求し、革新的な作品を残しています。
宗教的主題や、晩年の輝くような色彩で描かれた油彩、デフォルメされた親しみやすい人物像は、多くの人を魅了し続けています。
本展は、
T 国立美術学校時代の作品:古典絵画の研究とサロンへの挑戦
U 裸婦と水浴図:独自のスタイルを追い求めて
V サーカスと裁判官:装飾的コンポジションの探求
W 二つの大戦:人間の苦悩と希望
X 旅路の果て:装飾的コンポジションへの到達
の5つの章で構成されています。
ジョルジュ・ルオー 《クマエの巫女》 1947年 油彩/紙(格子状の桟の付いた板で裏打ち) 53.0 × 37.7 cm パナソニック汐留美術館
パナソニック汐留美術館の新収蔵作品です。予言の力を与えられたクマエの巫女を、温かな色味の花束を手に、清らかな瑞々しい姿で描いています。
展示風景
ジョルジュ・ルオー 《大木のある風景》 1946年頃 油彩、カンヴァス 70.0 × 31.5cm ポンピドゥー・センター、パリ/国立近代美術館
1920年代、ルオーは幻想的な風景の中に聖なる人物を描き込む、「聖書風景」又は「伝説的風景」と呼ばれる独自の主題の風景画を描き始めます。本作は画面に木や人物(キリストと母子)、印象的な塔、月といったこの主題にたびたび登場する重要なモティーフが独特な配色とリズミカルな構図で描かれている、「伝説的風景」の完成形態ともいえる作品です。
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