麗子 110歳
2024-02-28


岸田 劉生(きしだ りゅうせい、1891年〈明治24年〉6月23日 - 1929年〈昭和4年〉12月20日)は、東京・銀座生まれの洋画家です。

東京国立近代美術館は岸田劉生の作品を数多く所蔵しています。中でも国重要文化財に指定されている《道路と土手と堀(切通之写生)》は有名です。
この作品は、異なる遠近法で描かれた石堀、土の道、造成地が異様な遠近感を観る者に与え、道がまくれあがって迫ってくるような錯覚を起こします。
右から伸びてくる電柱の影も遠近法の攪乱を起こしています。
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岸田劉生《道路と土手と堀(切通之写生)》 1915年 油彩・カンヴァス 東京国立近代美術館蔵 国重要文化財

岸田劉生で一般的に広く知られているのは《麗子像》ではないでしょうか。
1914年に生まれた愛娘「麗子」の肖像を、麗子4歳の頃から描き始め、油絵や素描など約70点の作品を遺しているといわれます。
その岸田麗子(きしだ れいこ、1914年(大正3年)4月10日 - 1962年(昭和37年)7月26日)が今年、生誕110年を迎えます。
それを記念して東京国立近代美術館では、所蔵作品の中から岸田麗子に関する絵画や写真、日記、資料など45点を展示して「麗子像」を追っています。

岸田劉生の自画像です。作品の右上に「APR・9th.1914.」と書かれています。麗子が生まれる前日の日付で、岸田劉生22歳の作品です。
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岸田劉生 《自画像》 1914年 油彩・カンヴァス 東京国立近代美術館蔵

愛娘、「麗子」を描く有名なシリーズの最初の1点です。当時は「かぞえ」で年齢を表していました。
アーチ状の額が描かれ、「『額に入った麗子の絵』を描いた絵」という、だまし絵のようになっています。それほど大切に想っていたんでしょうね。
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岸田劉生 《麗子肖像(麗子五歳之像)》 1918年 油彩・カンヴァス 東京国立近代美術館蔵

紙に水彩で描かれていますが、まるで油絵のような立体感があります。
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岸田劉生《麗子六歳之像》1919年 水彩・紙 東京国立近代美術館蔵

展示風景
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麗子満1歳の記念写真です。(1915年) 写真館で撮影してもらったもののようです。
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上:家族アルバム(1929年以降)と、下:岸田麗子アルバム(1914年以降)も展示されています。
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岸田劉生から妻・蓁(しげる)への葉書です。(1919年)
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