閉会間近ですが8月25日まで、東京国立近代美術館で所蔵作品展「MOMATコレクション」が開催されています。
「MOMATコレクション」展は、19世紀末から今日に至る日本の近現代美術のながれを海外作品も交えて、1,3000点余りの所蔵作品の中からテーマを変えながら常時200点ほどを紹介する、国内最大規模のコレクション展示です。
所蔵品ギャラリーは4階から2階まで12の部屋で構成されます。
1室 ハイライト
「ハイライト」では日本画の名品の他、日本近代洋画の人気作品や日本の前衛美術に大きな影響を与えた西洋の作家たちの作品を展示しています。
鏑木清方の《墨田河舟遊》は当館収蔵品でありながら、観る機会はあまり有りません。
鏑木清方 《墨田河舟遊》 1914年 絹本彩色 (下は部分)
2室 1910年代 ― 個への目覚めと多様性
ヨーロッパで学んだ美術家たちが相次いで帰国し、ヨーロッパの新しい美術や考えが盛んに紹介された明治時代の末頃には、画家個人の資質を活かした題材や表現の探究がみられます。
岸田劉生 《道路と土手と塀(切通之写生) 》 1915年 油彩・キャンバス 重要文化財
3室 大戦とバブル
第一次世界大戦当時、軍需品の輸出によって日本は好景気を迎え、「成金」と呼ばれる企業家が続々と登場していました。海外から影響を受けて日本で前衛傾向が高まるのもこの時代です。
藤田嗣治 《パリ風景》 1918年 油彩・キャンバス
4室 長谷川利行 東京放浪
1921年に関西から上京してきた長谷川利行のアトリエとなったのは、関東大震災(1923年)後の東京の盛り場や下町でした。ときに「肖像画の押し売り」をしながら街をうろつきまわっていた長谷川の絵は、スピードに満ちた迫力がある一方で、ナイーブで詩的な印象を覚えさせます。
展示風景
5室 パリのサロン
第一次世界大戦終結後の1920年代には世界中の芸術家たちがパリに集いました。この部屋では、サロンの常連だった西洋の画家の作品とともに、サロンに挑んだ日本人画家たちの滞欧作を中心に展示しています。
マルク・シャガール 《ふたり》 1976-77年 油彩・キャンバス
6室 興亜のまぼろし
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