「静水の間」の天井に描かれた、池上秀畝(いけがみしゅうほ)「扇と松」です。
下から上に向かって大きく広がる扇の形は末広がりを意味し、縁起の良い形とされています。
百段階段では、おめでたい扇面画が148枚も描かれています。
同じく池上秀畝の「扇と筍」です。筍(タケノコ)が竹と一緒に描かれています。
筍は繁殖力が強く、子孫繁栄の力があるとされています。昭和の終わりごろまでは目黒は筍の産地として有名だったそうです。
下は、「星光の間」の欄間(らんま)に描かれた板倉星光(いたくらせいこう)画「筍」です。
竹は幹がまっすぐで堅く、中は中空で隠す所がなく、葉も常緑であることから吉祥文様として好まれてきました。
尾竹竹破(おたけちくは)原画、盛鳳嶺(さかりほうれい)彫刻による木彫りの天井画です。「漁礁の間」にあります。
こちらも尾竹竹破(おたけちくは)原画、盛鳳嶺(さかりほうれい)彫刻による木彫りの天井画で、「紅梅」です。
早春に他の花に先駆けて咲く梅は古来より風流人に愛されてきました。松、竹とともに厳しい冬に耐える植物として尊ばれ、吉祥画題の代表格とされています。
また、梅は「好文木」の異名を持ち、学問の神様として祀られる菅原道真も梅を好みました。
荒木十畝(あらきじっぽ)の天井画「梅」です。
「草丘の間」の天井に描かれた、磯部草丘(いそべそうきゅう)画の「梅と鵲」です。
鵲(カササギ)は、七夕伝説で織姫(おりひめ)と彦星(ひこぼし)の愛の掛け橋となる縁起の良い鳥とされています。
ホテル雅叙園東京・百段階段にある「松・竹・梅」を集めてみました。
「初春の文化財見学 百段階段の百の縁起もの」では、これら「吉祥」に関わる絵画や建築意匠を100点選び、やさしい解説付きで案内しています。
開催期間:2021年1月1日(金・祝) - 3月14日(日)
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