ホテル雅叙園東京(旧:目黒雅叙園)で「初春の文化財見学 百段階段の百の縁起もの」というイベントが開催されています。
今回の企画では、250枚の日本画と建築意匠に囲まれた百段階段の絢爛豪華な装飾の中から、健康や長寿、富貴といった縁起もの(吉祥)に関わる意味や願いを込めて制作されたものを100点選び出して紹介しています。
とアップして来たので、今日はおめでたい「一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび)」に関わる美術品をアップします。
「一富士二鷹三茄子」は、夢、特に初夢に見ると縁起が良いとされるものを、めでたい順に並べた句といわれています。
その語源については諸説ありますが、
1) 駿河国(するがのくに=静岡県中央部)の諺で、駿河の名物を順にあげたとする説。
江戸時代の国語辞書『俚言集覧(りげんしゅうらん)』に、駿河の名物を「一富士二鷹三茄子四扇五煙草六座頭」と書かれているといいます。
2) 徳川家康があげた駿河の国の高いものの順位とする説
一に富士、二に愛鷹(あしたか)山(足高山)、三に初茄子の値段といったことに由来するといいます。
3) 富士は高く大きく「不死」「無事」につながり、鷹は良い運をつかみ取るまたは「高」から立身出世、茄子は「(大願を)成す」に通じ、実がたくさん生ることから子孫繁栄など、それぞれ縁起の良い物とする説
などがあります。
百段階段の「富士・鷹・茄子」を集めてみました。
一、「富士」
橋本静水(はしもとせいすい)の天井画、「富士山」です。 「静水の間」にあります。
鏑木清方(かぶらききよかた)の欄間絵です。「清方の間」控えの間にあります。
今はホテル雅叙園東京と目黒駅を結ぶ「行人坂(ぎょうにんさか)」は江戸時代には富士山を望むのに絶好の場所だったということです。
「清方の間」入口の組子細工の富士山です。左下に二本の線が残されていますが、かつては舟が表わされていたのではないかといわれています。
館内装飾の美術品ではありませんが、会期中の特別展示品「粋彩切子ぐい呑み逆さ富士」です。
江戸時代からの伝統の切子(きりこ)を施し仕上げは全て手磨きで行われたぐい呑みです。
真上から見ると花火の模様になり、逆さまに置くと富士山になります。
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