川崎市岡本太郎美術館で、常設展「人のかたち:岡本太郎の人体表現」が開催されています。
岡本太郎作品は初期のパリ時代から晩年まで、描かれているテーマや中心的なモチーフの多くは、人の姿や顔、眼、その内面を含めた人間の在りようです。
本展では、初期の代表作《傷ましき腕》から展開していったパリ時代の消失作品の流れも含めて、岡本太郎が描いた人のかたち、表現のヴァリエーションを追っていきます。時代によって変遷していく岡本の画風を、人物の描き方に焦点を当てて紹介する展示構成になっています。
会場エントランスに置かれている《喜び》です。
持田製薬株式会社の創業65周年記念として制作された作品だということです。常に「歓び」の心を持って、人々の健康的で豊かな暮らしに貢献したいとの想いから、このタイトルがつけられました。
岡本太郎 《喜び》 1978年 FRP(繊維強化プラスチック)
会場入口です。
岡本太郎(1911年 - 1996年)は1930年から1940年までフランスで絵画の勉強をしました。
太郎のパリ時代の作品は第2次世界大戦の空襲によりすべて焼失してしまいました。(近年、パリ時代の
初期の作品3点が発見されています)
本展では、パリのG.L.M社から発行された画集『OKAMOTO』記載のサイズを参考に実物大の写真パネルで、若きパリ時代の作品を紹介しています。それにより、若き日の岡本の貴重な作品を観覧することが出来るようになりました。
展示風景
岡本太郎 《リボンを結んだ女》 1935年 (消失作品)
岡本太郎の代表作のひとつ、《痛ましき腕》です。1936年にパリで描いた作品は焼失してしまいました。1949年に再制作しています。
岡本太郎 《痛ましき腕》 1936年(1949年再制作) 油彩、キャンバス
太郎は、母親の岡本かの子著「生々流転」(1940年)の装填も手掛けています。(写真中央・右)
私の好きな作品 《夜》 に登場する女性が、この書籍の表紙にも描かれています。
岡本太郎 《夜》 1947年 油彩、キャンバス
展示風景
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